
音楽の授業では習わなかった小話。
第二次世界大戦後、チェコスロバキアの共産化に反対し祖国から亡命した一人の指揮者がいた。
彼は亡命から40年近く、異国で音楽活動をしていたが、72歳で指揮者から引退。
もう指揮を振ることもできない健康状態だった。
とうとう祖国に戻れなかったと思っただろう。
しかし奇跡が起きる。
チェコの民主化革命が起こった。
大統領は彼に帰国を要請。
42年ぶりに祖国へ帰ることができた。
そしてプラハの春音楽祭にてかつての仲間たちと共演。
演奏したのはこの『わが祖国』。
彼は再び指揮台に立てたのである。
息を吹き返したかのように復活した。
音楽が起こした奇跡のお話。



