
いまや誰もが知るクラシック音楽を代表する作曲家バッハ。
意外なことに死後何十年と忘れ去られていた時代がある。
この無伴奏チェロ組曲も世間に埋もれていたうちの一つだった。
13歳の少年が古本屋でこの曲の楽譜を見つける。
この少年は、「チェロの神様」として歴史に名を残したチェリスト、パブロ・カザルスだった。
彼は貪るように楽譜を読み、来る日も来る日も練習した。
10年以上もの歳月を費やし、ようやくこの曲を演奏会で初披露。
その後も研究を重ね世界初の録音や、自身の解説がついた楽譜の出版まで行うようになる。
彼のお陰で200年近く眠っていたお宝が復活した。
今やチェリストのバイブルとなっている作品だ。
あの時、古本屋で出会わなければ今もなお眠ったままだったかもしれない。



